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No.01
アーティスト、サーファー、空手家 ワタル WATARU

真の努力を続ける。何事にも通ずる、自分の礎となる。

Profile
WATARU

幼少期から極真空手を学び、その後、シンガーソングライターへと転身。ハワイアンレゲエ、ヒップホップ、R&B、カントリーなどに影響を受け、オリジナルの音楽スタイル”アイランドミュージック”を確立。現在はプロサーファーも目指しており、ジャパンプロサーフィンツアーに参加している。

アーティスト活動の最中、あえて極真空手に再挑戦した理由。

5歳から始めた空手。毎日休みなしに稽古を続ける日々はとても大変で、何度も諦めそうになりました。それでも強くなることを目指して稽古を重ね、高校時代は全日本3位を3年間取り続けたのですが、歌手の活動に専念するために空手からは離れることにしました。でもその後、どうしても空手をやっていた頃の自分のほうが生き生きしていたような気がして悩んでいたんです。もう一度空手をやりたいという思いが膨れ上がる一方、あのキツい毎日に戻りたくないという自分もいて。そんなとき、空手でお世話になっている方から言われた「黒帯、目指してみたら?」という一言で気が引き締まり、昇段審査を受ける決意をしました。今思えば、自分に対する確固たる自信が欲しかったのだと思います。

黒帯取得を目指し、稽古を続ける日々。

黒帯取得を決意し、歌手活動の合間を縫って道場に通い続けたのですが、これが想像以上に苦しく…凄まじい毎日を過ごしていました。ブランクを取り戻すための体作り、死ぬ気で挑む10人組手。通っている道場の師範の方々がとても厳しく、そう簡単に昇段審査を受けさせてくれないというのもあり、稽古はますます辛いものになっていきました。現役の頃は自分の方が強かった後輩たちが、知らない間に実力を身につけていた姿にもすごく刺激を受けましたね。歌手活動との両立も大変だったのですが、死ぬ気で努力しないと結果はついてこないと分かっていたので、常にやってやるぞという気持ちで稽古に励みました。一方、精神面にも課題がありました。昇段審査が近づくにつれて、どんどん緊張してしまう自分がいたんです。正直、審査前夜は2時間しか眠れなかったほどでした。睡眠不足と過度の緊張、万全の状態からは程遠い心体でしたが、それを言い訳にはできません。支えとなったのは、持ち前の気合のみ。その結果は…、見事合格。嬉しい気持ちはもちろん、やっと自分を自分たらしめるものができた、と自分を誇れるようになったのが一番の収穫でした。

諦めずに挑戦し続けること。それが今の自分の礎になる。

どんなに辛くても、自分が目指そうと決めた以上は努力をし続ける。それがどれほど大切なことなのかということを黒帯への挑戦で改めて感じました。辛いことがあっても、諦めずに努力し続けた経験、自分の限界を知れた発見、そこからの這い上がれた実績。黒帯自体はもちろん宝物ですが、本当の宝物は、その道中を歩きぬけたことなのだと思います。そして、その道は歌手活動やサーフィンの道へと通じている。歌手として毎回ステージに上がる前は緊張と不安に苛まれているのですが、それでも歌が始まったらお客さんのパワーに負けないように戦う気持ちでパフォーマンスができる。サーフィンにおいても、自分が決めた以上、プロサーファーになるための厳しい道のりもいくらでも努力できる。諦めないことの価値を知っているからこそできるのだと思います。たとえ失敗したとしても、諦めずに挑戦し続けた自分がその後の自分を支えてくれるので。だからこそ僕は、これから先もずっと挑戦と努力を続けたいです。

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NARISAWA SHUREI