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No.03
アイドル(SKE48) 北川 愛乃 KITAGAWA YOSHINO

「強くなりたい」は、「やさしくありたい」に。極真空手を糧に、アイドルとして前進し続ける。

Profile
KITAGAWA YOSHINO

北川愛乃(キタガワ ヨシノ)。アイドルグループSKE48の8期生として活躍する。ニックネームは“よこにゃん”。 小学3年生の頃から極真空手を習い始める。大阪出身。2017年1月の「PARTYが始まるよ」公演で劇場デビュー。ダンスが得意。

アイドルとしての今の自分に活きている、極真の教え。

アイドル活動をする上で、極真空手の経験が活かされているなと思う場面はたくさんあります。精神面でいえば、「諦めない」ということ。アイドルとしての歴を重ねるごとに乗り越えなくてはならない壁がどんどん出てきますし、多種多様な個性を持つメンバーがいる中で自分のキャラクターや立ち位置を模索しなければならない。それがどんなに大変だろうと「それでも絶対に諦めない。諦めたら意味がない」という鍛えられた根性で立ち直れるのは、きっと極真をやっていたからこそだと思います。努力しているはずなのに評価してもらえず、家に帰ってきてから一人で泣いてしまっても「泣いていたって何も変わらない。負けるもんか」と気を切り替えて前を向くことができたことは何度もあります。また身体面でも同じことが言えます。公演中、体力の限界まで歌って踊り、終盤に倒れそうになることも少なくないのですが、極真の厳しい稽古を乗り越えてきた自分のスタミナに助けられています。ターン一つにしても、組み手や技の練習で嫌というほど体幹を鍛えてきたので、軸がブレることなく綺麗に回れて「ターンが綺麗だね」と褒めていただけたり。他にも、挨拶をすることや時間を守ること、そして嘘をつかないことなど、極真の道場訓を教え込まれてきたので、人との向き合い方はアイドルとしても自然と大切にできているかなと思います。

怖がりな自分を変えるために始めた極真空手。

そもそも極真空手を習い始めたのは、私が極度の怖がりだったからなんです。小学生の頃はおばけの話が出ただけで夜も眠れなくなってしまっていました。そんな私を見かねた両親が「愛乃も強くならないとだめだよ。誰かに助けてもらうんじゃなく、自分で自分を守れるようになろうね」と叱ってくれたんです。ちょうどその時、兄が極真空手を習っていたので、それについていくかたちで極真空手を始めてみました。それまで格闘技なんてまったく興味がなかったのですが、どんどん空手にハマってしまい…。それからの日々は、まるで修行僧のような日々でしたね(笑)。朝も夜も、空手の稽古に明け暮れる毎日。道場に行かない日は父のミットを打ち、時間があれば兄と組手する。昔の漫画みたいに、重りをつけて街中を家族でランニングするなど…、思いつく限りのトレーニングをしていました。厳しい稽古が続きましたが、昇級したり試合に勝てたりするのが嬉しくて、その度にもっと頑張ろうと思えたんです。なかでも、家族から「頑張ったね」と褒めてもらえるのが何よりも嬉しかったですね。自分を強くしたい、怖いものをなくしたい。そんな軽い気持ちで始めた極真空手でしたが、自分を鍛えるのって終わりがなくて、どんどん新しい目標ができていくのが楽しかったんです。

殴る方も、殴られる方も痛い。だからこそ、人に愛や希望を与えられるやさしい人でありたい。

極真空手は戦う相手が目の前にいるからこそ、人との正しい向き合い方が学べます。例えば、相手と組手をするとき、殴られる方だけが痛いのではなく、実は自分の拳にもダメージが残ります。これは格闘技だけではなく、人と人とのコミュニケーションでも同じだと思うんです。怒ってくる人や叱りつけてくる人がいたとしても、それは感情任せのものではなく私を想ってのことかもしれません。痛い、つらいといった負の感情だけではなく、その後ろにあるやさしさに目を向けること。叱る側だってつらいんだと思うんです。だからこそ、しっかりと相手の言葉を受け止めないといけない。逆の立場になってもそれは同じです。誰かに何かを伝えるとき、常に相手の気持ちに立てているか。アイドルとしてファンの皆さんの前に立つ際も、自分が一生懸命努力している姿を届けて、誰かの気持ちを動かし、笑顔にさせることができているかを考えています。コロナ禍で応援してくださっている方々と直接会える機会が減ってしまいましたが、SNSを上手に使えば、皆さんとも心で触れ合えますよね。TwitterやSHOWROOMを利用して積極的に発信するようにしているのですが、そこでのコメントを読んだり、喜んでくださる声を聞いたりするのがものすごくパワーになっています。そんな時、好きでメモして持ち歩いている「心にゆとりを持って人に対すれば、笑顔一つで味方がつき、敵を呑む。」という倍達総裁の言葉を思い出して、その通りだなあとひしひしと感じます。これからも愛や希望を与えられるやさしい人を目指して、笑顔でい続けたいと思います。応援宜しくお願いいたします。

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